
自分は頑張っているのに、全然気づいてもらえなかったり、なかなか認められないと感じている人は多いのではないでしょうか。
一概に言えることではありませんが、それは自分がやっていることを周りの人は見てくれていると思いこんでいる可能性があります。
人は、自分が思っているよりも、周りからは興味を持たれていないものです。
自分の思い込みでないか、確認をしてみましょう。
スポットライト効果
スポットライト効果とは、心理学の分野では有名で、自分自身は注目されていると思い込んでしまう心理のことです。
こちらは、コーネル大学のトーマス・ギロビッチの研究により明らかになっています。
実験では、参加者に恥ずかしいTシャツを着せて歩かせた後に、どれぐらいの人がTシャツを見ていたか聞いたところ、男性は、59%の人が見ていた、女性は、35%の人が見ていたと答えました。
しかし、実際にすれ違った人に確認すると、24%の人しか見ていなかったとのことです。
この結果から、
- 自分が思っているよりも周りは注目していない
- 女性よりも男性の方が自分が注目されていると思い込みやすい
ということが分かります。
スポットライト効果により、自分は注目されていると思いやすいため、実際に仕事で頑張っていても、上司は見ていないという可能性があります。
あなたも、同僚の頑張りを確かに見ていると断言できますか?
それを考えると、少しアピールし過ぎるぐらいがちょうど良いのかもしれません。
自信過剰バイアス
自信過剰バイアスとは、自分の能力を過大評価してしまうという特性のことです。
行動経済学者のリチャード・セイラーによると、学生に対してクラスの中でどれぐらいの成績に入るかという質問をすると、実際には50%は平均以下になるにも関わらず、「自分の成績が中央値以下だと予想する学生は5%に満たず、クラスの半分以上が上位20%に入ると予想する」とのこと。
この結果から、
- 実際の能力以上に、自分の能力を過大評価する
- 多くの人が楽観的に考える傾向がある
ということが分かります。
自信過剰バイアスにより、自分の能力を過大評価していないでしょうか?
客観的に見ても、成果をだせているのか確認してみると良いかもしれません。
まとめ
頑張りに気づいてもらえない、認められないと感じている人は、
- そもそも頑張りに気づかれていない
- 自分の能力を過大評価している
といった、可能性が考えられます。
自分がどちらに当てはまるのかを、よく確認してから対応方法を考えていくと良いかと思います。
こういったことを知っておくと、自分も周りの人を見ていないことに気づいたりするので、良い勉強にもなります。
意識していないと自分の思い込みに気づくのは難しいので、この機会に自分自身や周りの人に目を向けてみてはどうでしょうか。
●参考文献
リチャード・セイラー,キャス・サンスティーン,遠藤真美(2009)『実践 行動経済学』日経BP社
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