
みなさんは吊り橋効果というものをご存知でしょうか。
テレビでもよく紹介されるほど有名なようで、心理学系の一般書でもよく紹介されているように感じます。
ただ、心理学科教授の越智啓太いわく、吊り橋効果は誤解されていることが多いとのことです。
その誤解されている部分について、紹介しておきます。
吊り橋効果とは?
一般的には怖い経験をしている時に、一緒にいる相手に好意を持ちやすくなるという効果を指します。恐怖によるドキドキが恋のドキドキと勘違いしてしまい、一緒にいる相手のことを好きになってしまう。
というように説明をされていることが多いです。
吊り橋効果のもとなった実験
元となった実験では、被験者にある吊り橋を渡ってもらい、渡りきったところで美しい大学院生が声をかけられるというものです。
そこで、実験に協力してくれる人に対して心理テスト行い、実験の結果を詳しく聞きたければ電話してくださいと伝えます。
その美しい大学院生に対して、吊り橋以外の場所で実験した時と比べて、吊り橋を渡った直後の方が後で電話をしてくる確率が高かったというものです。
この実験にある、容姿の良い人が相手になっているというところが正しく認識されていない部分になります。
イケメン・美女じゃないと効果がない
吊り橋効果として考えられている恐怖のドキドキを恋のドキドキと勘違いするとのことですが、そこに注意する必要があります。
相手が美しい人→ドキドキしているから好きなのかも
となりますが、
相手が普通の人→ドキドキはさっき怖い思いをしたからだな
と冷静に原因を特定してしまうようです。
別の実験では、男性参加者に120秒間走ってもらいドキドキする状態を作ってもらった後、女性の自己紹介ビデオテープを見せて質問に答えてもらいました。
そして女性の魅力度に関する質問などを行うと、美しい方の女性では魅力度がアップしましたが、そうでない方は逆に魅力度が下がったとのこと。
このことから、容姿が良くないと吊り橋効果は使えないということがいえそうです。
逆に魅力度が下がる可能性があるのも怖いところですね。
まとめ
有名な吊り橋効果は、容姿の良い人が実験をしており、普通程度の容姿であれば効果が無いどころか逆効果になってします可能性があります。
効果がなくなってしまう原因としては、恐怖のドキドキを恋のドキドキとは勘違いされずに、恐怖によるドキドキだと正しく解釈されてしまうことにあるようです。
誤解を与えられないという意味では、ここまで吊り橋効果が有名になってしまった時点で、効果はほとんど無さそうな気がしますね。
相手が吊り橋効果を知っていれば、勘違いしてくれる確率はぐっと下がってしまうわけですし…
よほど容姿に自身のある人でなければ、使うことは避けた方が良いかもしれません。
●参考文献
越智啓太(2015)『恋愛の科学 出会いと別れをめぐる心理学』越智啓太
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