
小さなお子さんがいらっしゃる方は、幼児教育って本当に効果があるの?と気になることもあるのではないでしょうか。
早めの教育が大切な気がするものの、幼児教育に力を入れた方が良いのか、成長した時を考えて今のうちに貯金をした良いのか迷ってしまいますよね。
本当に早めの教育に効果があるのかの情報をご紹介します。

幼児教育に力を入れた方が良いのかの疑問に答えます
幼児教育は効果あり!
結論からいいますと、幼児教育には大きな効果があります。
経済学者のヘックマンらによると、人的資本への投資=追加教育をした場合、将来どれぐらい収入が増えるかを考えると、「投資対効果が高いのは生まれる前からが最大となり、成長するにつれて低くなる」という研究結果を発表しています。
0~3歳児までの教育だと学校を卒業した後に比べて、2倍以上も投資効果が高いようです。
この結果だけをみると、教育熱心なママは正しいということになりますね。
人的資本というのは、健康の維持やしつけする労力なども含みますので、勉強だけさせれば良いというわけでは無いことには注意してください。
教育に投資するのはいつが良い?
先ほどご紹介した通り、教育の投資対効果は生まれる前~幼児期に高いため、なるべく早めに教育投資をした方が良いとの結論になります。
以下の図は子供の年齢と投資効果の関係です。
生まれる前の投資というのは、母親の健康に対する投資などを指しています。
出典:中室牧子(2015年)『「学力」の経済学』 出版社 ディスカヴァー・トゥエンティワン
教育は、早ければ早いほど投資効果が高いようなので、幼児教育への支出を抑えて大学への進学費用を貯めるよりも、幼児教育にお金を使う方が効果的だといえます。
もちろん、成長した時の教育資金も必要になるのでバランスは考える必要がありますが、小さい時期の教育も重要ということは覚えておくと良いかと思います。
どんな教育が重要?
教育経済学者の中室牧子によると、IQなどの認知能力と呼ばれるものは成長につれて教育の効果が小さくなるとのこと。
しかし、重要なのは性格などの非認知能力の方で、それが将来の成功に大きく関連している可能性があるようです。
教育は勉強をさせるだけではなく、
- 誠実性
- 社交性
- 好奇心
- 自制心
などを高めていくことも大切になります。
成功するためには、学力以外にも大きく関りがあるということですね。
これらの性格特性は、ビッグ5と呼ばれる信頼性の高い性格分析でも、
- 「誠実性」が高い人ほど年収が高い
- 「好奇心」、「協調性」、「精神安定性」が高いほど寿命が長い
- 「誠実性」、「好奇心」が高いと学歴が高い
などの研究がありますので、性格特性が人生の成功を左右するということは、間違いないと思われます。
ビッグ5について知りたい方は、過去の記事をチェックしてみてください。

まとめ
幼児教育には大きな効果があり、「教育が早ければ早いほど投資対効果は高くなる」ということを紹介しました。
教育には、勉強だけでなく子供の自制心や好奇心などを育てていくことで、将来への成功につながる可能性があります。
勉強だけでなく色々な経験を積ませてあげるというのも、大切な要素になるということですね。
幼児教育をするか迷っている方は、ぜひ始めてみてはいかがでしょうか。
なお、本記事では教育経済学者である中室牧子さんの『「学力」の経済学』という本を参考にしております。
- 子供はほめて育てるべきか?
- 正しいご褒美のあげかたは?
- ゲームは悪影響なのか?
など、科学的根拠をもとに子育てのヒントになる情報を紹介しております。
すごく良い本ですので、興味のある方はぜひ読んでみてください。
本が苦手な人は、漫画版も出版されているので、そちらでも良いかと思います。
●参考文献
中室牧子 (2015)『「学力」の経済学』ディスカヴァー・トゥエンティワン
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