
仕事がうまくいかなかったり、不運な出来事が続いて、やる気が起きなくなってしまったという経験はあるでしょうか。
心理学的にも自分でどうにかできない問題に直面すると、無気力になって行動を起こせなくなることが分かっています。
この学習性無気力といわれる状態になると、日常生活に支障をきたすことも多いので、原因と対策について紹介しておきます。

まずは無気力になってしまう原因を知ることが大事!
学習性無気力とは?
心理学者のマーティン・セリグマンらの研究により、無気力感も学習によって習得されるということが分かっています。
犬に電気ショックを与える実験では、
- ボタンをおすと電気ショックが止まる=自分で回避することができる
- 何をしても電気ショックが止まらない=自分でなにもできない
というグループに分けました。
自分で回避することが出来たグループは、電気ショックが来た時にボタンを押そうと行動するのに対し、なにもできないグループでは、行動をせずに電気ショックを受け続けるだけの状態になったとのこと。後から、ボタンを押せば止まるようにしても、回避行動をおこすことはなかったそうです。
このことから、無力であることを学習したがために、状況が変わっても無力だと思いこんで行動ができなくなるということがいえます。
無気力にってしまう原因
考えや行動を否定される
こちらは仕事でよくあるパターンではないでしょうか。
自分の考えや行動を毎回否定されてしまうと、自分の考えは無駄なんだと感じて思考停止状態になったり、行動を起こす気力が無くなってしまいます。
私も新入社員の頃は、
聞きに行く→今忙しい or 自分で考えて→自分で考えてやる→全然ダメ
をひたすら繰り返していたので、軽くメンタルをやられて発言するのが怖くなってしまいました。こうなると、何をやるのも怖くなってしまうんですよね。
どうにもならないことが多い
こちらは、どうにもならないと感じていることが沢山ある場合です。
失礼なことを言ってしまい取り返しがつかない、大きな失敗をしてしまったからもうここにいられない、自分には才能が無いから何をやっても無駄などがあります。
私の場合ですと、
- 人見知りな性格は直せない
- 頭が悪いから失敗するんだ
と自分の欠点は直せないと思い込んでいたことが当てはまります。
自己肯定感が低い
最後に、自己肯定感の低さです。
こちらは、人から否定されることが多い、褒められてもお世辞だと決めつけしまう、といった人たちは自己肯定感が低くなりやすいです。
なによりも、自信をもっていることが行動につながるので、一番大切なところといっても過言ではありません。
自分に自信が持てないと、負のスパイラルが始まり、抜け出すことが難しくなります。

やる気を出すための対策
自分で変えられるものか考える
まずは、変えられないと思っているものは、以下のように本当に変えられないのか自分の中で考えてみましょう。
能力が発揮できない
- 仕事内容や配属を変えてもらうよう相談することもできるし、転職をするという選択肢もあるな
- 今の環境で頑張らないといけないわけじゃないし、環境を変えられるか動いてみよう
性格は直せない
- 性格は変わらないと思いこんでいたが、小さいころからは少し性格が変わっている気がする
- 最初は全然できなかった電話対応も出来てきているので、練習することで少しづつ変えられるかもしれない
楽観的に考える
何事も楽観的に考えるようにして、必要以上に悲観的にならないようにしましょう。
仕事での失敗
- 仕事で失敗してしまったが、周りのフォローもあればこれから挽回できるかもしれない
- 今回は自分だっただけで同じような失敗をする人は他にもいるだろう
人間関係での失敗
- 失礼なことを言ってしまったけど、きちんと謝れば許してくれるはず
- そっけなかったけど、もしかすると機嫌が悪かっただけなのかも
自分に優しくする
完璧を求めすぎず自分にも優しくしてみましょう。
自分の行動を褒める
- 誰も褒めてくれなくても、みんなのためにちゃんと頑張った
- 頑張った自分に何かご褒美をあげよう
能力に自信をもつ
- あの人は仕事の能力はすごいけど、 音楽、映画、本の知識なら私の方があるかも
- コミュニケーションは苦手だけど、文書を書くことは得意かも
まとめ
自分の行動が無力であったり意味が無いと感じてしまうことで、人は無気力状態になってしまう可能性があることをご紹介しました。
無気力になる原因としては、
- 考えや行動を否定される
- どうにもならないことが多い
- 自己肯定感が低い
が原因となることが多いようです。
やる気の出すための対策として、
- 自分で変えられるものか考える
- 楽観的に考える
- 自分に優しくする
などが有効になるので、日ごろから意識してみると良いかと思います。
自分の考え方を変えることは簡単ではありませんが、考え方や行動を変えなければ何も変わらないのは、誰もが実感していることだと思います。少しづつでも意識を変えられると良いですね。
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