
以前、幸福な人は年収が高く、健康的で成功につながるかも!という研究があることを紹介したのですが、どれぐらい幸せなら良いのかが気になるところでした。
そちらについて、学業や年収においてどの程度の幸福感がベスト?という疑問に対する答えがありましたので紹介しておきます。
幸福と学業の関係
実は幸福度と学業成績には寒冷性があるとのことです。
心理学者である大石らの研究によると、幸福度が高いと成績も高くなる傾向があるとのこと。しかしながら、非常に幸せという場合にかぎり、学業成績が伸びない可能性があります。
出典:大石繁宏「幸せを科学する」 (2009)
上記のグラフから読み取っても不幸せな場合は成績が低くなり、逆に幸せ過ぎても成績は低くなる傾向があるようです。
不幸な場合だと勉強どころではなく、幸せ過ぎるとそれ努力して成長をするという気持ちが薄れてくるのかもしれませんね。
成長をしたいと考えている人は、今が幸せだからといって努力することを忘れていないか注意する必要がありそうです。
幸福と収入の関係
面白いことに幸福感と年収にも関係があるようでして、
- 18歳の時に幸福感が平均以上グループの場合、15年後の年収が約420万円
- 18歳の時に最も幸せなグループの場合、15年後の年種が約340万円
となり、平均以上のグループは一番幸せなグループの年収を80万円も上まわったという結果が出ています。
このことから、ほどほどの幸せで年収も高くなる傾向があるということがいえるでしょう。
幸福感と人間関係
さらには、幸福感と対人についても関係性があるようです。
幸福度別に友人関係にある人の人数を調査した結果、
- 不幸せ:平均4.4人
- まあまあ幸せ:平均5.1人
- 幸せ:平均5.5人
- 非常に幸せ:平均5.8人
となっており、幸せな人ほど友人が多い傾向があります。
友達が多いと幸せになるのか、幸せそうな人に人が集まるのかは分からないところですが、幸せの分だけ友達が増えるというのは面白いですね。
人間関係は量より質ともいわれていますが、非常に幸せだと感じている人の傾向を考えると、量も大事ということがいえそうです。
まとめ
幸福感は学業、年収、人間関係などに大きく影響することをご紹介しました。
学業と年収は幸せ過ぎると伸び悩むようなので、お金持ちになりたかったり、成長志向の人は、幸せすぎることで気を抜いていないか、自問自答すると良いかと思います。
ちなみに、統計的な傾向が出ているだけで、全員にこの傾向があてはまるわけでは無いので、そのあたりには注意して頂ければと思います。
●参考文献
大石繁宏(2019)『幸せを科学する―心理学からわかったこと』新曜社
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