ファクター投資で利益を出す!【科学的な投資手法】

株式投資で市場平均よりも利益を出すことが難しいことというのは、投資家であればご存じのことと思います。ただ、アクティブ運用をする以上、市場平均以上を目指す必要があるので、有効な投資戦略を使うことが重要になります。

今回は市場平均以上を目指せる可能性のある、ファクター投資についてご紹介します。

統計的に有効性が確認されている投資方法なので、覚えておいて損はありません。

過去のデータから値上がりしやすい株の特徴が分かっているよ!

ファクター投資とは?

ファクター投資を簡単に説明すると、過去の統計データから市場平均を上回ってきた因子(ファクター)に対して、投資を行うというような運用方法です。(経済学者などが有効性を実証済)

過去の経験則を使うアノマリー投資とほとんど同じようなものですが、アノマリーの中でも「持続性」、「普遍性」、「投資可能性」がある有効性・再現性が高いものとイメージしてもらえると分かりやすいかと思います。

代表的なものとして、「サイズ」や「バリュー」といったファクターがあります。

  • サイズ:小型株ほど株価が上がりやすい
  • バリュー:割安な株ほど株価が上がりやすい

ファクターへの投資が市場平均を上回るのは、

  • 平均よりリスクが高い株を買っていることへの報酬
  • 他の投資家が誤った値付けをしたミスプライスからの利益
  • 市場の規制などの構造的な問題による歪みからの利益

という考え方がありますが、どれが正しいというわけではなく全ての可能性があるぐらいに考えると良いと思います。

ファクターについては、以下の記事を読んでいると理解が深まります。

ファクターモデルについて解説【利益の要因を特定する】
投資で利益を出していくためには、リターンを生み出す要因を特定することが重要になります。そのリターンを生み出す要因は、すでに経済学者達が研究をしており、ファクターモデルという形でリターンを説明しています。例えば、6%の利益を出したなら、その理

ファクターの種類

株式ファクターの種類には様々なものがありますが、以下のファクターが代表的です。
特に有効性が高いと考えられているファクターなので、覚えておくと役に立つと思います。

市場ベータ株式市場は無リスク資産(債券など)を上回るリターンを残し続けている。
サイズ大型株よりも小型株の方がリターンが高くなりやすい。
バリュー企業価値に対して割安な株の方がリターンが高くなりやすい。
モメンタム株価が上昇傾向にあるとリターンが高くなりやすい。
収益性収益性の高い会社はリターンが高くなりやすい。
クオリティ財務性の良い会社はリターンが高くなりやすい。

米国株におけるファクター投資のリターン

ファクターについては、特に米国株について多くの研究がされており、1927~2015年までの長期間にわたる成績を確認することが出来ます。

出典:アンドリュー・L・バーキン、ラリー・E・スウェドロー (2018)『ファクター投資入門』パンローリング

成績を比較すると、「モメンタム」>「市場ベータ」>「バリュー」>「クオリティ」>「サイズ」の順でパフォーマンスが良いようです。(単純なリターンだけの比較)

そのため、ファクター投資では、効果量の大きい「モメンタム」、「バリュー」を戦略の中心とする人が多いです。私自身、「バリュー」を投資戦略の中心にしています。

日本株におけるファクター投資のリターン

それでは、日本株式市場でファクター投資をした場合に置き換えて、どのような成績を残せたのか確認をしていきましょう。

まずは、 1991年~2018年の間で100万円を元手に投資をした場合の各ファクターの成績についてです。
※ファクターモデルとして定義されている代表的なファクターのみを対象としています

出典:「Kenneth R. Frenchデータライブラリ」から筆者が作成

上記のグラフから読み取るとほとんどのファクターが、市場平均を上回るパフォーマンスを上げていることが分かります。このデータを見る限りは、ある程度の有効性はありそうですね。

次に、2000年~2018年の間で100万円を元手に投資をした場合の各ファクターの成績について確認してみました。

出典:「Kenneth R. Frenchデータライブラリ」から筆者が作成

上記のグラフから分かるよう、2000年以降は「バリュー」と「サイズ」が良い成績を残しているようです。

2000年~2008年ごろまでは「バリュー」が良い成績を残していましたが、2009年以降は急激にパフォーマンスが落ちています。そのため、一部の投資家からはバリュー投資はもう機能しないといわれているわけですね。

グラフから読み取ると、ここ十年は小型株さえ買っておけば利益を出せたことになるので、単に小型株を中心に買っていた人は大きな利益を出せていた可能性が高いです。(実力かどうかはおいといて)

各ファクターが10年ほど機能しないというのは良くあることで、長期的には市場平均を上回る可能性が高いが、10年程度では市場平均を上回れるのか分からないというのがファクター投資です。
ファクター投資が「理論的には優れているが実践は難しい」といわれている所以でもあります。

このように、投資する期間でも有効なファクターが変わり、一概にどのファクターに投資した方が良いという話はできないため、いくつかのファクターを組み合わせるマルチファクターという考え方も重要になります。

低相関のファクターを組み合わせることで、リスク調整後リターンを向上させたり、投資戦略が有効な期間を分散させる効果も期待できます。

まとめ

科学的に有効性が実証されているファクター投資というものをご紹介しました。

ファクター投資は、米国だとモメンタムが強く、日本だとモメンタムがみられずバリューが強いなど、国ごとや投資期間ごとに有効なファクターが違うため、単一ファクターだけで安定的に利益を出すことは難しいと思われます。(10年以上の超長期で見るのなら良いかもしれませんが)

堅実に利益を出したいのであれば、「バリュー+クオリティ」、「サイズ+モメンタム+バリュー」など、ファクターの組み合わせをうまく考えると安定性の向上が期待できます。

日本では効果が無いといわれているモメンタムについても、買いのみのモメンタムは機能するという情報もあり、これから機能するということも十分考えられます。

色々な組み合わせから投資戦略を考えてみてはいかがでしょうか。



●参考文献
アンドリュー・L・バーキン(著) 、ラリー・E・スウェドロー (著)(2018)『ファクター投資』パンローリング

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