テクニカル分析で勝てない原因・対策を解説【テクニカル分析は無意味?】

株取引をする上で、チャートを分析して売買のタイミングをはかるテクニカル分析を使用する方も多いかと思います。

ただ、テクニカル分析は有効性が検証されていないことも多く、使用には十分気をつける必要がありますので、

  • テクニカル分析って意味あるの?
  • テクニカル分析で勝てない理由
  • 有効なテクニカル分析

について整理をしておきましょう。

テクニカル分析は意味が無い?

テクニカル分析は、一部の学者には迷信とまで言われていることをご存知でしょうか。

米国ではテクニカル分析の専門家に対して、実際の株価を表したチャートデータとコインを投げて表がでたら上方向裏が出たら下方向というようにランダムに描いたチャートを見比べてもらうという実験を行いました。

しかし、専門家たちはどちらが実際の株価データなのかを特定することができなかったので、ランダムな動きと株価データの違いも分からないのだから、正しい分析ができているわけがないという主張です。

「ウォール街のランダムウォーカー」の著者であるバートン・マルキールは、テクニカル分析を非難することは喜びでさえあると語っており、「第一に、彼らの手法が明らかに間違っていること」「第二に、いじめいやすいこと」と述べています。

理由としては、バイアンド・ホールド戦略(インデックス投資)よりも有効だという検証がなされてないということをあげています。

テクニカル分析で勝てない理由

①主観的な情報が多い

テクニカル分析では、定量的に定義可能なものも存在するが、ダブルトップやダブルボトムなどの分析者がどの期間で読み取るかで解釈が変わってしまうものが多く存在します。(分析者の裁量で変わる)

主観的な情報は、分析者が都合の良いチャートパターンを探し出し、後付けで解釈をすることもできるため、バイアスのかかった間違えた判断をしてしまうことにつながります。

②有効性が検証されていないルールが多い

そもそも、主観的な情報が多いテクニカル分析は、そもそも分析者によって読み取り方が異なるため有効性を検証することは難しいです。

デビット・アロンソンの調査では、S&P500指数に対して定量定義可能な6402ルールの検証を行った結果、「残念ながら統計的に有意なリターンを生み出すルールを発見することはできなかった。」との結論を述べています。

単体で使用可能なルールのみを対象としており、いくつかのテクニカル分析を組み合わせた複合的なルールは検証されていませんが、単体で優位性がないものを組み合わせても劇的に成績が改善するということは考えにくいです。

③過去の情報しか考慮していない

チャートは過去の取引利益をチャート上に示しているだけに過ぎないので、過去のデータしか分析することができません。そのため、会社やアナリストの予想で来期の業績が悪くなる見込みでも、良いチャートパターンであれば無条件で買い付けをしてしまうというミスをしやすいです。

④頻繁に取引をする

チャートを日々確認しているため、少しでも銘柄が下がったり上がったりすると気になって、売買を繰り返してしまう可能性があります。

売買を繰り返すと手数料が多くかかるため、統計的には短期売買を繰り返す人ほど損をしています。

有効なテクニカル分析

①モメンタム(順張り)

モメンタム効果を利用する方法です。

モメンタムとは過去にパフォーマンスの良かった銘柄は上がり続け、パフォーマンスが悪かった銘柄は下がり続けるというトレンドが持続する現象のことをいいます。

一般的には、直近の1ヶ月を除いた12ヶ月間のリターンが高い(低い)銘柄は、その後1ヶ月間は株価が上がり(下がり)やすいといわれています。

過去何年にもわたり世界中で確認されている現象ですが、なぜか日本だけではあまり機能しなかったという研究結果がありますので、国内株中心の人は注意して使用する必要があります。

②リターン・リバーサル(逆張り)

平均回帰を利用する方法です。

リターンリバーサルとよばれている、過去にパフォーマンスの良かった銘柄は下がりやすく、パフォーマンスの悪かった銘柄は上がりやすいという現象があります。

一見するとモメンタムと矛盾するように感じますが、モメンタムとは期間が異なり、直近の1ヶ月以内の短期や3〜5年の長期でパフォーマンスが悪かった(良かった)銘柄は上がり(下がり)やすいといわれています。

日本ではモメンタムが機能しないかわりに、リターンリバーサル効果が強い傾向があるので、移動平均線が下落傾向にある、パフォーマンスの悪い銘柄を買い付ける戦略が利益につながりやすいと考えられます。

③低ボラティリティー

高い値動きの激しい銘柄はリスクが高いので、リターンも高くならないと割に合いませんが、個別株においては「ボラティリティーの高い銘柄≒値動きが激しい銘柄」ほどリスク調整済リターンが悪く、「ボラティリティーの低い≒値動きが緩やかな銘柄」ほどリスク調整済リターンが高くなりやすいという現象が確認されています。

値動きが緩やかな低ボラティリティー銘柄を買い付けることで利益につながりやすくなると考えられます。

まとめ

テクニカル分析の有効性はほとんど検証されておらず、

  • 主観的な情報が多い
  • 有効性が検証されていないルールが多い

などがテクニカル分析で勝てない理由だと考えられることを紹介しました。

私自身、テクニカル分析の有効性が検証されていないという事実を知ってからは、ダブルボトム、三角持ち合いなどの特殊なチャートパターンを勉強するよりも、すでに有効性が実証されている方法を使う方針に変えています。

もし、テクニカル分析を使用したいなら、モメンタム効果やリターン・リバーサル効果を利用した投資方法が有効な可能性があります。

  • リターン・リバーサル(短期:1ヵ月)
  • モメンタム(中期:1年)
  • リターンリバーサル(長期:3~5年)

こちらについては、数々の研究で有意性が確認されているようですので、やみくもにテクニカル分析をするよりも利益を出せる確率は上がるかと思います。



●参考文献

バートン・マルキール(著),井手正介(訳)(2016)『ウォール街のランダム・ウォーカー〈原著第11版〉 ―株式投資の不滅の真理』日本経済新聞出版社

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